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第14話 「山猫のしっぺ返し?」

(作成:2001年10月25日 改訂:2001年10月26日)

(TEXT & PHOTO : kuma3 / E21-320i )


 “バイエルンの山猫” E-21系320iA 再生物語
Vol.4:‘93年4月号 『山猫のしっぺ返し?』




 1000km余りの慣らしを終え、我が家に来て2度目の車検時期になった。(ウチは民間車検 工場でなく認証工場なので、陸運支局に持ち込まなければならない。必要な整備をした上で、 いわゆるユーザーの代わりに持ち込むと思ってください)

 業者相手の検査官(個体差もある)のチェックは、ユーザー相手よりも厳しいものがある。 「プロが手がけた車でしょ」と言われれば「そりゃ、そうだ」と答えるしかないのだから…。 前回の検査では、別に問題にもならなかった車だが…。

 今回は検査官の『個体差』に泣かされた。まずマーシャルの丸4灯ヘッドランプがダメ。 「ヘラやボッシュなどのドイツ製かコイトなど国産のでないと型式が認定されていない。交換 してきなさい」(あ、これならシールドビームの在庫があるから楽勝!)と思いきや、下廻り検査 で、またもアヤがついた。ANSAのセンターサイレンサを示しながら「これは触媒?排気温センサ はどこに?」(うわっ、マズい!)“いやー、排ガス濃度を測定したら基準内の値だったもんで。 並行モノらしくて、よくわからんのですわ”(以前、ディーラーのサービスに尋ねたらあっさりと 「並行モノですね」と言われたし)

 「ちょっとこちらへ」と事務室に呼ばれ、FAXで取り寄せたと思われる320iの排気系統の図 を指し示しつつ「こことここの部分に遮熱版がついて、排気温センサはこの位置。車内側には こういう文書の注意書きが…」事細かく説明してくれる。

“あのー、並行モノじゃないんですか?”とおそるおそる尋ねると「立派にバルコム扱いの 『正規モノ』です。それで?」

“いえ、別に…”「ともかく、触媒(キャタライザ)と排気温センサをつけて、注意書きを車内に 貼ってきてもらわないと通せないな。まっ、古い特殊な車でわからないのも無理ないから 『排気温センサの取り付け不良』ということにしておきまから」との『温情裁定』で、何とか重い 処分を免れた。速攻で解体屋を捜したが、同年式のE21なんてそうそうあるものじゃない。 結局、ニッサン・キャラバンについていたものが排気管内径がほとんど同じだったので、ANSA のセンターサイレンサ部分を切断して、排気温センサも繋ぎ変え、『車検対応ANSAマフラー』の 出来上がり。2週間後、無事に検査を通過。


車検対応“地球にやさしい”キャタ・キット。 本領を発揮する機会は、めったにないが…。

(急ごしらえのキャタの最低地上高は10cm以下。後席に大人3人乗車するとちょっとした 段差でも擦るのは、当たり前?)

 そして悪夢のような車検から1ヶ月も経たずにウォータポンプから異音がして、水漏れ発生。 古いサーモスタットの破片7mm×9mm程を噛みこんでいた。(かなり削れた跡があった)で、 ポンプと同時にラジエータ・コアを交換しました。

@この頃のラジエターには今の車のようなサブタンクがついていません。そこでスターレットに ついていた弁当箱のようなサブタンクを流用し、バッテリー前側と車体の間に押し込んで 増設しました。(これはオススメできます!)


増設したサブ・タンクは、ホントに押し込んだだけ。オーバーフロー側チューブは あってもなくても構わないと思います。

【症状3】の水温高めは、その後もしばらく続きましたが、原因がもう一つ判明しました。 ラジエター前側の電動ファンに紐が巻き付いていたのと配線カプラの接触不良により、全く 回っていなかったという事実が発覚!昔々、風の強い日の走行中に巻き込んでいたので しょうが、外部からは紐の端が見えず、ラジエターを外すためにファンを取り外して初めて わかった事でした。そういえば“ブーン”という作動音を聞いたことがなかったなぁ。 ごめんね、320@。

〜 続く 〜


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