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第42話 「"M Power" E34−M5という車」

(作成:2000年7月6日 改訂:2000年7月7日)

(TEXT & PHOTO : 浪花の恭平 / E34 M5 )


皆さんは『M5』と聞いて、どんな印象を持たれますか?また持たれていますか?
グループ5レースで一世を風靡したレーシングユニットがその源となっているM Powerエンジン。
ずばり、羊の皮を被った狼!って感じがしませんか?
実は私自身、M3と同じカテゴリーの車と思いこんでいました。
しかし、いざ所有してみますと、当初思っていた印象とは正直、大部違っていました。
但し、E34−M5には初期型、中期型、後期型があります。
恭平号は1988年式ですので完全な初期型です。
中期、後期型ではまたその印象は違うかもしれません。



以下に、まずその外観、内装及びスペックを記してみます。

エンジン形式名 S38型
形式 水冷直列6気筒 DOHC 4バルブ 触媒付き
ボア×ストローク 93.4×86.0mm
総排気量 3535cc
圧縮比 10.1:1
燃料供給装置 ボッシュDME
最高出力 315ps(253kW)/6900rpm
最大トルク 36.7mkg(360Nm)/4750rpm
変速機 5段手動
通常Hパターン。クロースレシオのZF製
変速比 @3.510 A2.080 B1.350 C1.00 D0.810 R3.710
最終減速比 3.910


M5


六つ並んだインマニが力強さを演出してます。(^^)

ボディー構造 モノコック 4ドアセダン
サスペンション前 独立 マクファーソン・ストラット
サスペンション後 独立 セミ・トレーリングアーム、ハイトコントロール付き
ステアリング リサーキュレーティング・ボール
ブレーキ前 ベンチレーテッド・ディスク(315mm径)シングルピストン ABS
ブレーキ後 ソリッド・ディスク(302mm径) シングルピストン ABS
ホイール 8J×17(日本仕様は後:9J×17)
タイヤ 235/45ZR17(日本仕様は後:255/40ZR17)
ホイールベース 2765mm
トレッド前/後 1475/1490mm
全長×全幅×全高 4720×1750×1390mm

最小回転半径 5.5m
車輌重量 1690kg
乗車定員 4名
燃料タンク 80L

●発進加速−距離
距離 時間(到達速度)
0- 50m 4.2秒 ( 74km/h)
0- 100m 6.3秒 ( 99km/h)
0- 200m 9.5秒 (124km/h)
0- 400m 14.6秒 (159km/h)
0-1000m 26.3秒 (207km/h)

●最高速度
5速(250km/h)(リミッター作動)
4速 217km/h 7200rpm
3速 160km/h 7200rpm
2速 105km/h 7200rpm
1速 62km/h 7200rpm
(See attached file: bo0070.jpg)
300km/hまで刻まれた速度計がそそりますねぇ。(^^)

尚、恭平号には下記の様な装備が付いていました。
どれが標準で、どれがオプションかは判りませんが...(^^;

○チルトアップ機能付きサンルーフ
○フルスケールオンボードコンピューター
○エアバッグ付きステアリング


M5


この時代のエアバッグの精度はいかがなものでしょうか?
古さを感じる大径のステアリングですね。

○サンバイザー照明(左右)
○セキュリティースイッチ


M5


フォグスイッチのすぐ左の赤いプッシュスイッチがセキュリティースイッチです。
もうひとつ、使い方がよく判りません(^^;

○シートヒーター機能付き電動本皮シート
○シートとミラー位置の3通りのメモリー機能
○助手席ドアミラーのチルトダウン機能
○電動リヤブラインド
○10スピーカーシステム
○前後音量調整スイッチ
○リヤセンターコンソール付き、完全4シーター


M5


正規輸入車は5人乗りですね。ひょっとすれば4人乗りも選べたのかな?



外観上で、ノーマルと違う変更部分は

1.HELLAのブラックテール

2.HELLAのリヤウィング


M5


初期型M5はリヤウィングは標準では無かったみたいですね。
この組み合わせ、私は結構気にいっております。(^^)

3.HARTGE17インチホイール


M5


4.後付けシングルリヤフォグ


M5


この角度なら、後続車には眩しく無いですね。
でも、ほとんど点ける事はありませんが。

5.ハーフミラースモーク(リヤ3面)

くらいのものです。
あと小物では、オングラスタイプのアマチュア無線アンテナ、それにBOHPステ ッカーです。(^^)

あ、そうそう、BMW@風呂屋亭のステッカーも貼ってあります。(^^;



今回のM5のリフレッシュ大作戦は、まず、走る、止る、曲がるが普通に出来る様 にする事から始まりました。
そしてM5オリジナルのフィーリングを楽しみたい!
所謂、ノーマルM5の復活です。
特に、サス(スプリング)、ショック(ダンパー)、強化ブッシュ、スタビライザー、 ブレーキパッド及びディスク、ステアリングホイール等、オリジナルでの復元 を目指しました。

また、アクセサリーではアマチュア無線機、オーディオ装着くらいでおさえ、シン プルにまとめてみました。


M5


ちょっと見づらいですが、初期表示は【E34−M5J】の文字が...(^^)

整備、修理はすべていつもの正規ディーラーに任せました。
ここのディーラーには、並行輸入車の前々恭平号(E34−535i)、前恭平号 (B10−3.5/1)もすべてお世話になっており、現恭平号 (E34−M5@もちろん並行輸入車)で3台目です。
その技術、対応等、最高のサービスレベルです。
修理にしても、極力安価に抑える様、担当課長が知恵をしぼってくれます。

やはり持つべきものは、馴染みの主治医ですね。(^^)

そして数回に渡るリフレッシュを行なう。...詳細は次号にて。



一通りのリフレッシュを終えたM5は、期待通りの走りで私を満足させてくれてい ます。
特に高速安定性は抜群で、ふわわkm/h巡航でも、片手運転で十分です。
そこからのブレーキングも姿勢のふらつき等、まったく有りません。
ただ高速コーナーリングでは初期のロールはかなり早めにきます。
そこからグッと堪える感じでしょうか。ちょっと違和感があります。
ひょっとするとスタビのねじれを感知して、レベライザーが効いているのかも知れ ません。
しかしトルクバンドさえ外さなければ、かなりの突っ込んだドライビングを楽しめ ます。もちろん加速力も十分です。
ただ、このセッティングでは峠を攻める!なんて事はまさしく自殺行為です。
実際に恐い思いをしました。(^^;
この車のステアリングシステムはラック&ピニオンでは無く、ボール式の為か、切 り込みの反応が一瞬遅れる感じがします。
それこそ、弱アンダーステアをパワーオーバーステアに持って行ける、アクセル及び ステアリングコントロールが出来る方であれば別でしょうけど...。



えっ?で、何をどうリフレッシュしたのかって?
そ、そうですね。
やはり恭平メンテは泥沼の修理記録が似合ってますね...(^^;

はい、上述通り、次号でそのリフレッシュの全貌を明らかに致します。
乞うご期待!

但し、これからE34−M5の購入を考えておられる方は、次号は読まれない方が 身のためかも...にゃはは。


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