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第21話 「BOHP E34トラブル辞典」

(作成:1999年3月30日 改訂:1999年4月30日)

(TEXT : NIGHT HACKER / E34 525i )


今回のメンテは皆さんのトラブル辞典です。
これからも皆さんの中でトラブルが起こりまたその修理の報告をしていただける方を 募集しております。
E34を過去の車にしない為にも大事に乗っていきたいですが、 機械は壊れるモノとして、その修理と金額がこの辞典で分かるようになればと思います。
皆様のご投稿お待ちしております。



■No.785 ベーチャンさん(90年E34-525i)の場合

ウインドウを閉めようとスイッチを操作したら、ドスンという音と共に ウィンドウガラスが上がらなくなってしまいました。
自分で内張りをはずして(簡単)、ドア内部を見ると、 パワーウィンドウのモーターアッシーが外れているではありませんか。
アッシーとそれを留めていたはずのビスを手探りで探し、ドア内部から取り出しました。
ドア内部は防錆用のグリスが塗布してあり、ビスはグリス塗れだったので、 よく脱脂してから組み付けました。
ただ、ビス山が特殊な凹星型をしていて、ドア内部の狭いところで ネジ締めをしなければならないので、ちょっと大変でした。

1.左後ろパワーウィンドウ故障
これで大丈夫だと思っていたら、2〜3週間経ってから、走行中にまたドスンという音が。
嫌な予感は見事に的中、今度はウインドウが下がらなくなってしまいました。
もう一度自分で組み付けました。しかも今回はネジ締剤を塗布して。
それでもまた落ちてしまったので、やむなくディーラーへ。
モーターも弱っているということだったので、アッシー毎交換しました。
それ以後は問題なし。

2.ウォーターポンプ交換
ある日ボンネットを開けてみると、 ラジエターの後ろの方に横一線に白っぽい粉が付着しているのを発見。
これはクーラント漏れだと直感。
しかしどこから漏れているのか自力では分からずディーラーへ。
すると何とウォーターポンプからというではありませんか。
そく交換してもらいました。在庫があってよかった。

3.後ろバンパー塗装
正月に三浦で地元のじいちゃんにおかまほられちゃいました。
幸いフレームには異常がなく、バンパーに少々擦り傷、 ラバーにもちょっと傷が付いた程度でした。
ラバー交換と塗装代で9.7万円位でした。

4.エアコン動作不良
去年の夏、ディーラーのサマーチェックに出して帰ってきたら、 風は出るけどエアコンが効かなくなっていました。
ただし、風量ダイアルを最大にしたときだけちゃんと動いていたので、 温度センサーかマイコンの不良だと思います。



■No.826 Furukawaさん(90年10月E34-535i)の場合

1.ボンネット
ボンネットのヒンジがおかしく閉まらなくなり 大阪から東京まで高速をガムテープでしばりつけて帰ってきた。
 走行4万km時

2.ATオイル漏れ
高速走行中ATオイルもれでマフラー(エキパイ)の上にぽたぽた落ち マフラーの熱でオイルが焼け料金所で白煙を上げる。
これはATシール交換及びそれに伴うATオイル交換で修理。
 走行6万km時 約2万円

3.上記が原因で排気音センサー故障
 約1.5万円

4.WATERポンプ故障
ホース共交換 約5万円
 走行6.5万km時

5.高速走行時のブレーキングでハンドルがガタガタと振動する。
フロントブッシュ交換 約6万円
 6万km〜7万km時

6.HEADからタペット音発生
カム山がつぶれカム及ロッカーアーム等交換。
現在修理中 6万km時から段々異音が大きくなってきた。

7.ブレーキマスターシリンダー及パッド及Disk交換
HEAD修理に出した時に発覚。
ブレーキを踏む時ボンネットを開けているとマスターシリンダーから カチャカチャ音が鳴る。
 7万km時

6.7(修理報告)
    HEADオーバーホール
    シリンダーHEAD脱着分解洗浄
    ポート研磨
    バルブすりあわせ
    インジェクター洗浄
    ピストンHEAD・ブロック洗浄
    ホース類交換

    上記工賃                    ¥4.5万


    カム
    ロッカーシャフト
    ロッカーアーム
    インテークバルブ
    エクゾーストバルブ

    上記中古使用                 ¥3.5万

    
    エンジンオイル    11L       ¥16,500
    クーラント         3L        ¥3,600
    ブローバイホース               ¥840
    フューエルホース             ¥5,100
    バキュームホース               ¥630
    プラグ6本                    ¥3,600
    ブレーキマスターシリンダー
                      工賃交換   ¥8,000
    ブレーキオイル     1L        ¥1,800
    エア抜き                     ¥4,000
    PAD  DISK交換 サービス

                          合計¥13.6万円


輸入したパーツがショックを除くと約10万円
オーバーホールとブレーキオーバーホール
(キャリパー除く)              約24万円

パーツがショック$385を入れて$1200程だったのですが、大体国内の半額です。

ブレーキは以前のオーナーが社外品(メタル)を入れていたのですが 汚れないがまったく効かない品物でした。
今回はディーラーから独立して1年の方の店で修理してもらったのですが BMWはブレーキは純正が良いようです。
最初はエンジンだけ修理しようと思っていたのですがお店で試乗してもらい ブレーキマスターシリンダーがいかれているのが見つかり一緒に直しました。
症状としてはパタパタ音がだんだんと大きくなる 早めに見てもらえば大事に至りません。



■No.2288 7430AY92の清水さん(93年E34-525iR)の場合

1.内装関係
グローブボックスがピタッと閉まらない。
(左方が空いて、ゆがんでます)
後部ドアのアーム部分のビニールが凸凹してきた。
保管していたノーマルアルミホイルのセンター部の塗装に、発泡したように 細かい凸凹ができていた。がまがえる状態です。

2.バッテリー
2年目に入りスキーに行ったら、2日目に死んだ。
(その後3日間、毎日ブースターケーブル片手に救助を求めていた)
帰京後、ハーゲンというメーカーのバッテリーをオート○ックスで購入。
純正と全く同じ形 \3.2万円



■No.2287 Shammyこと田野倉さんの場合

私の場合、トラブルと言って良いかわかりませんが、 セントラルロッキングシステムのトランクへの配線が断線して、 ロックできない状態になりました。
ちなみに購入してすぐのことなので、無料で直していただきました。
(近所の中古外車ショップで、平行輸入車です。)
また、運転席のドアロックノブが他のノブよりも短く、 たぶん内部で問題があると思いますが、車内からノブを押し込んで ドアロックさせるとすぐ埋没して、以後セントラルロッキングシステムが きちんと機能しなくなります。

オーディオを交換したときに、まさかラジオのオートアンテナ用配線を 車側のアンテナブースターの配線に結線するとは気がつかず、 購入した店で、アドヴァイスを受け正しく結線したら、 ラジオを聴く事が出来るようになりました。



■No.2005 青銀さんの場合

E34入院記(その1)
購入後、すぐにトラブル発生!!(すぐとは1週間です)
暑い日に右折しようと交差点で対向車が切れるのを待っていた時のことです。
しばらく待って車がやっと途切れた時、アクセルを踏むと...5馬力の車か! おまえは!!
というくらい加速しなくなっていたのです。
対向車のダンプが目の前まで迫ってきたので、あわててもっとアクセルを踏んでも...
やっぱり5馬力。
ここでトラックは急ブレーキ!!
まさかトラックもここまでゆっくり交差点を曲がる奴はいないだろう、 と思ったことでしょう。
やっとの思いで無事に交差点を曲がり終え、30メートルくらい走ったところで、 いきなり190馬力に変身!!
これは結構びっくりしますよ。

この事件からはたまにしか起きなかったので、今度時間が空いた所で見てもらおう!! と軽い気持ちで、E34を乗りまくっていました。
(やっぱり来たばっかりの時は、少しでも長く乗っていたいですからね。)

今度は購入後2週間目。
アイドリングがとっても不安定。
赤信号で停止すると、回転が500rpmと1500rpmをいったりきたり。
すぐに1000rpmで落ち着くのですが、なんか気持ち悪い!!

ついでに燃費も悪い!!(街中で4.5km/L)
以前乗っていたマスタングでも最低5km/Lは走ったぞ!!

と次の週末。購入後3週間。
ブレーキLTサーキットなるエラーメッセージが!!
しかし何もおこらない。ちゃんとブレーキは効く。ちょっと走ると消えてしまった。
いつもの事ながら、「まいっか!!今度まとめて見てもらおう!!」
と自宅前の道路に止めて、5分後。
さあ、出かけよう!!といつものとうりエンジンをかける。
ん!!シフトレバーが動かない!!
(こんな惨めな車はありません。エンジンがかかっているのに走れないとは!!)
こういう場合はシフトロックをはずせば走れるはず!っと探したものの、 何処にも無い!!
なんなんだこの車は!!特別な解除方法があるのだろうとマニュアルを見ても...
載っていない。
万策尽き果てた為、しぶしぶディーラーへTELを入れる。
3時間くらいすると、2人のサービスの方とレッカー車の上には代車の姿が。
サービスの人に故障内容を説明すると、車をレッカーで吊り上げて載せるのかと思いきや、 なんと走り出したのである!!
すぐにサービスの人にどうやって走らせたの?と聞くと、
  1.キーをONにする(エンジンはかけてはいけない!!)
  2.シフトをNへ
  3.セルを回す。
とこれだけ。
あんなに悩んだ自分がなさけない。電話した時教えてくれれば、 路上駐車しなくても良かったのに...
ぜひ、この方法はマニュアルに書いてほしい内容ですね。
(この時のサービスの人がすごく感じが良かったので、以後はこのT氏を指名している。)

あわれ私のE34はレッカー車の上に載せられ修理に連れられて行ってしまうのでした。
ちなみに代車は89年式のE34 525i。

それから1週間。直ったとの連絡。
早速取りに行き、久しぶりに会った愛車と帰る途中、さらなる故障が...

今回の修理個所。
アイドリング不安定、加速しない、燃費が悪いの3点は、
  アイドルコントロールバルブ交換  ¥33,800
  エアホース  ¥1,400
  ホースクランプ  ¥120

シフトロックが解除されないは、
  ストップライトスイッチ  ¥3,800

ディーラーで買ったので、当然工賃はただ。
今までの車歴で始めての入院。
すごくショック!!



■No.2887 KOJIさん(90年E34-525i)の場合

<症状>
  ・走行中、突然ブレーキ液の警告点灯
  ・メーターがタコを除いてロック、でも時々復活する。
  ・トリップがいきなりRESETされる。
   *これはメーターのロックが復活するときになる、一時的に電源供給がSTOPする為?
  ・メーターの指示が目茶苦茶(痙攣みたいに震えたり、針が真下にぶら下がったり)
  ・その他とにかく治ったり、壊れたり、いろんな症状がでました。

<対処その1>
  ・突発的に発病、復活を繰り返すため、コネクターの接触かと思い、
   メーターAssayを外し、ばらしてコネクター接点を磨いたり、
   接点復活剤をつけたりする。
   基盤まではずして目視でチェックもしました。
   →全然変わらず、Assay交換するしかないみたい。

  ・Dealerに持ち込む。
  →基盤を交換するしかないでしょう、との御託宣(8万円なり)
   *メーターAssayは2つに分けることができ、
    メーターがついている部分と後ろの基盤部分とから構成されている。
    その後ろの部分が8万円位、メーター丸ごとだと15万円位。

<対処その2>
  ・中古部品屋さんへ連絡、取り寄せする。
   この頃のメーターは頻繁に形式が変わっているらしく、
   似たようなやつを送ってもらう(メーターAssayで)
   交換してOKであれば代金を下さいとの事。

 早速交換、交換はコネクター4個を差し替えるだけで簡単。
 しかし、問題発生!というかあたりまえなんですけど。
  ・表示距離が変わった
  ・速度警告が鳴り始めた
  ・ATモード(S.E.*)が表示されない(消えてる)
  ・SI表示のRESETが必要になった。

 以上の症状は基盤上のROMを元のものに戻せばOKと思い、
 Dealerに確認したところ、中古でROMを戻したことはありません。
 交換は新品にしかしたことがないのでわかりません、との事。
   *メーター戻しをやるようなもんだから当然といえば当然かも。

<対処その3>
 対処2までで問題はないが、速度警告がうるさくてしかたないので
 ROM交換をやってしまうことにする。
 ベントレーマニュアルをチェック(ヘインズにはROMの記載なし)
 したが問題なさそう。
 ROM(ベントレーではプラグと表現)を取り外すのにニッパーで
 プラスチックのガードを切る必要があります。
   *ガードがなくなるので替えた事が明確にわかります。
    転売する時に問題になるかも・・・。

  結果としては大成功!距離表示、速度警告、AT表示そしてSIも元にもどる。

<費用>
 中古のメーターは最初5.8万円といわれたのを値切って5万円にしてもらいました。
 利用したのは基盤がある部分(白or青い方)なのでメーター部分、
 電球などは予備にしてあります。

<メーターの脱着&分解方法>
 まず、E34(に限らずと思います)のメーターは仕様が頻繁に変わっていますので、
 交換の際には出来れば同じパーツNo.、ソフトNo.が望ましいと思います。
 違っても、何とかなるような気はしますが。
 メーターの脱着はメーターAssayの交換以外にも警告灯の交換の時にも必要になります。
 E34の場合非常に簡単で、うまくやればステアリングを外さなくても可能です。
 ただし、ステアリングを通して抜き出してくるので、小径のステアリングの場合は
 絶対に外さなければ無理です。

 1.ステアリング(エアバッグ無し)を外す。
  * 90年式ですので、他の年式とは違うと思います。

  ・真ん中のBMWのマークをドライバーのようなものでこじって外す。
   傷をつけないように!(私はしっかりつけてしまった)

  ・EXTENSIONで延長したレンチなどでボルトをゆるめる。

  ・Keyをつけたままで、ステアリングをはずず。
   *Keyをつけてないと、ロックがかかっていて外れない。

 2. メーターAssayを引っ張り出す。

  ・メーターの上側に2つの+ネジがあるので、小さ目のドライバーで外す。
   *タッピングビスなので取り付けるときに締込みすぎるとバカになってしまいます。

  ・外したネジ穴にドライバーを引っかけて手前にメーターAssayを引きずり出します。

  ・コネクターが全部で4個あります。左側に2個、右に2個です。

  ・向かって右側のコネクター2個はケーブルが短いので左側2個から外していきます。
   *コネクターにはロックがついてますので、それを引き上げれば簡単に外れます。

  ・4個外せば、出来上がり,引っ張り出せます。
   *取り付けは全く逆の手順でOKです。(当たり前だけど)

  ・メーターAssayを取り外してしまえば警告用照明バルブは交換できます。

 3.メーターAssayの分解
  分解といっても、2個の部品に分けるだけです。
  これも基盤部分だけを交換する時とメーター部分の照明バルブを
  交換する時に必要なだけです。
   *中古パーツ屋さんでは丸ごとの販売になると思いますので、
   あまり必要ないかも、しかも、説明いらない位、簡単ですし。

  ・Assayの裏側に黒いプラスチック製のロックが2個ありこれを半回転させれば、
   上部が蝶番のようになっており、ノートパソコンのように開けられます。
   この際、少しきついかもしれませんが、それはメーター部から端子がでており、
   この端子が基盤の穴に刺さっているからです。
   無理やり引っ張ってしまっても大丈夫です。

  ・これで、メーター用照明バルブも交換できます。

  ・基盤側だけを交換の際は完全に分離する必要があります。
   そのときは蝶番のところを外します。
   無理やりこじってしまいましょう。バキッという怪しげな音と共に外れます。
   やり過ぎると折れてしまうかもしれませんので気をつけましょう。

 4. ROM?交換 (ベントレーでは英語でplugと表現)
  おそらくDealerでは中古メーターに交換してくれても、
  ROMは交換してくれないと思います。
  (普通は基盤部分だけを新品交換=8万円なり)
  整備記録に交換時走行距離と交換後のメーターの距離を記録するだけでしょう。
  やったことありませんと言われたのですが、速度警告音のあまりのうるささと
  走行距離の理不尽な増加に頭にきて、無理やりやってしまいました。

   *ROMにかいてある情報
    ・走行距離
    ・速度警告の設定
    ・サービスインジケーター情報
    ・その他(なんかあるでしょうが、わかりません)

  やり方は簡単。
  両方のメーターの裏側についているROMを交換してやるだけです。
  必要なものはニッパーorカッターです(ニッパーの方が簡単です)

  ・ROMは恐らく茶色で縦2cm×横1cm×高さ2.5cm位です。
   表面に銀色のシリアルNo.が入ったシールが貼ってあります。
   *このROMは製造時期によって形が微妙に違いますので、中古メーターを
    買う場合にはパーツNo.をよく確認する必要があります。
   *ROM交換しないのであれば、コネクターが合えば使えると思います。
    私も最初535用をつけてみましたが、OKでした。
    ただし、ROMの形は微妙に違っていて交換はしませんでした。

  ・メーターのコネクターを外してから必ず5分間位たってから、交換作業にはいる。
   ※ベントレーには外してしばらくは内部でターミネートの処理をしている。

  ・ROMは簡単に交換できないようにプラスチックでガードしてありますが、
   もともと交換できるようにガードには切れ込みがありますので
   それをニッパーできって取り外せばROMは簡単に交換できます。
   *なかなか挿入できない場合は形状が違います、あきらめましょう。
    削れば入れられるかもしれませんが、どうなるかは不明です。
   *注意
    交換の際ガードを切り離すので、見れば交換したのがすぐ分かります。
    転売のさいにはトラブルにならないようにしましょう。


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