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第11話 「キーレス/アラーム/エンジンスターター取り付け記」

(作成:1998年9月21日 改訂:2006年9月17日

(TEXT & PHOTO : 浦部 / E34-ALPINA B10 Biturbo )

さて、今回はキーレスなどの取り付けレポートです。
E36のキーレスの取り付け情報はかなりあるのですが、E34のそれはほとんどなかったですよね。
お待たせしました!!全てのE34オーナーの方々。
浦部さんがやってくれました。是非これを参考に皆さんも取り付けてみて下さい。キーレスだけなら送料込みで100ドルくらいであります。
ちなみに浦部さんが取り付けたこの機種、先日のオフミ(BMW、BENZ合同BBQオフミで50人以上の人が集まりました)で、ロック、アンロックの時にちょっとHな音がするということで女性陣に大人気でした(笑)



またまた登場の会員番号1128の浦部です。 (^_^;)
人間の欲望は尽きる事無くエアコン復活した後、最近の国産車にはキーレスエントリーが付いているのにBi−TURBOに無いのは悲しいとまたまた心の中の悪い虫が騒ぎ出し、キーレスをお盆休みを利用して、取り付けたので報告します。
Bi−TURBOはE34ベースですのでE34の各車にお乗りの方もキーレス取り付けの参考になると思います。

アメリカ出張時、オーディオSHOP(なぜかステレオ等と共にカーアラームを売っている)で値段を聞いたら、$100−!! 日本で同じような物を購入したら4〜5万からすると相当安い!
そのカーアラーム内容は車に衝撃を与えた時やドアを開けた時サイレンが鳴り、ハザードがフラッシュし、そのシステムのON、OFFでキーレスの役目も果たすと言う物でした。
セキュリティ機能はともかくとしてキーレスだけにしても魅力的な値段で、マニュアルをパラパラ見ると配線図を見る限りさほど難しいものではないなと思い、購入を決めました。
購入を決めた途端、店員が"オプションのエンジンスターターが$50−で追加出来る。冬の寒い時、エンジンスターターがあると絶対便利だから一緒に購入した方がいい" とやたらとしつこく購入を薦めるので、その熱意に圧倒されこちらも一緒に購入してしまいました。
しかし、この安易な購入が後から大変な思いをする事になったのです。
配線図では簡単に書かれているものも、マニュアルを眺めているうち、追加でリレーを入れたり、車種によってはダイオードを中間に入れシステムに電気が逆流しないようにしなければならなかったり、車の各配線がポジティブ(+12Vを掛けて動作するもの)かネガティブ(アースに落として動作するもの)によって配線方法が異なるという事が書かれていたのです。
と言っても、私はアメリカに仕事で行ってるくせに英語力と言ったら仕事で使う技術用語といい加減な文法の英会話程度でそれこそ中学生以下なのです。
取り付けには、ある程度マニュアルを翻訳しないと大変なことになると思い、暇を見つけながら、パソコンの翻訳ソフトを使いながら翻訳を始めたのですが、パソコン翻訳ソフトのいい加減な事! ほとんど日本語になって無い翻訳しかしないのです。更にマニュアルには電気的な専門用語がは入っているのでパソコンで翻訳したものを更に日本語に翻訳する2重の翻訳をするはめになってしまったのです。
ようやく翻訳が終わったのが6月で翻訳が終わったと思った途端、例のエアコンのトラブルに見舞われ、それどころでは無くなってしまったのです。(苦笑)

さて、エアコンのトラブルが解決した途端、キーレスの取り付けを実行に移すべく日程を考えた末、土日を利用し2日で作業するにはきついので、お盆休みを利用する事にしました。
その前にBMWの配線について情報収集開始です。
メンテ13でサモアさんがE36のキーレスについてレポートされているのを思い出し、さっそくチェック!
セントラルロックユニットの配線色やダブルロックについてを参考にさせて戴きました。
前置きが長くなってしまいましたが、お盆休みに入り さぁ、いよいよ取り付け決行です。
サモアさんのはE36だけどE34もほとんど同じようなものだろうと思い、グローブボックスを外しセントラルロックユニットを...えっ!無い!!それらしきユニットが見当たらないのです。(この記事を書いてる途中でリヤシート下にある事が判明!)
車型が違うので当然と言えばそれまでですが、右ドアでのロック,アンロック、ダブルロックで集中ドアロックが効かなくなる点など共通する点が多かったため何処かにセントラルロックユニットがあることは間違いないと思うのですがそれを見つけるには時間が...
ええぃ!ドア内張りを剥がし、右ドアロックユニットの配線を解析した方が早いと判断し、内張りを剥がすことに! この内張りもちょっと曲者で、ボルトで止まっている部分が2ヶ所あるのですが、そのうちの1本が頭がトルクスなのです。
偶然、アメリカでの仕事でトルクスを使用する事があり、トルクスのビットを購入してあったため、事無きを得ましたがこれから内張りを剥がす方は要注意ですよ。
やっとの思いで、内張りを剥がし、いよいよロックユニットの解析です。
ロックユニットには6本の配線があり、テスターを使ってロック,アンロックでどの様に+12Vが出力されるか調べました、結果は6本の内、3本は常時+12Vが掛かっており、1本はロック,アンロックに関係無く+12Vは掛かりません(?)残る2本は、ロック、アンロックでそれぞれ一瞬+12Vが掛かるというものでした。
ここで、あれっ一瞬+12Vが掛かるだけだったら、このそれぞれの線に+12Vを掛けてやればロック,アンロック出来るじゃないか! アラームユニットからの出力も1秒のパルス出力って書いてあったし、+12V掛けてみるかとアクセサリー用に以前引っ張って置いた+12Vをロック線に一瞬接続するとガチャとロックするじゃないですか! 
見事ショートする事無く、ビンゴ!! アンロック側もともう一本に接続し、こちらも問題無くアンロックされました。"案ずるよりも産むが易し"楽勝楽勝!
それも、右ドアの集中ドアロック機能も殺す事無く出来たので喜んでしまいました。
その他いろいろやっているうちドアが開いている時は集中ドアロックが作動しない事が分かりました。
しかし、ダブルロック線は発見出来ませんでした。ダブルロック線が発見できればアラームの予備出力を利用してウインドゥクローズが出来るのにと思いながらもウインドゥクローズは後から、センターコンソールのウインドゥスイッチにリレーを使えば出来ると考え、後から秋葉原にて4系統2出力タイプのリレーを購入し取り付ける事にしました。
ドア内部の配線をたどってグローブボックス横のスピーカーがついてるパネルを外すと作業しやすい配線とロック,アンロック用のリレーを収めるのにちょうど良いスペースがありました。ここにキーレス関係の配線やリレーを収める事にし、アンロック時室内灯を点灯させる機能があったので、これも室内灯をテスターで解析し、ネガティブコントロールでアースに落とせば室内灯が点灯する事が分かりました。リレーを使って配線しこちらもあっけなくOK!
アンロック時、室内灯が点灯し夜間のパーキングで車のある場所を探す時などに役に立ちそうです。

さあ大物のエンジンスターター取り付けにかかります。
マニュアルにはエンジンスタート時、アラーム機能を殺す配線とエンジンスタート信号線,イグニッション関係の配線,更にエンジンスタートをストップさせる為に必要なブレーキ信号線が必要と書かれています。
まず、イグニッション関係の配線を解析を行う事にしました。
キースイッチの配線にスタータの配線を割り込ませるため、キーシリンダーを露出させないと当然どれがどれだか分かりません。アンダーダッシュ,フロントダッシュパネルとコラムカバー(ステアリングを外さないと取れない!)を外し、こちらもキーの回転位置でどの様に+12Vが掛かるか調べます。必要なのは、常時+12Vが掛かっている線と、アクセサリ線、エンジンコントロール線、スタータ線の4本です。
これは簡単に調べられました。この4本の線にエンジンスターターの配線を割り込ませば良いだけです。更にアラームユニットやスターターユニットを設置する場所もアンダーダッシュパネルの中が適当で配線も短くて済みそうです。非常停止用の配線もマニュアルにブレーキから取るように書いてあったため、ブレーキレバーの根元に付いているスイッチから引きました。
さらに作動時、音と共に知らせるハザード機能もパルス出力なのでハザードスイッチの線にリレーを使って、割り込ませればOKと解釈し、センターコンソールのスイッチに配線し問題無く動作しました。
配線を一通り終わらせた所で、動作確認です。
keyless アラームON、ドアがロックされると共にキュンと作動確認音ハザードが一回点灯…OKです。
続いてアンロック…こちらもOK。
いよいよエンジンスタート…イグニッションがONになって数秒、スターターが回り一発始動!
思わずうれしくなってしまいました。
こんなに順調に作動してくれるなんて...マニュアルを翻訳した時間が無駄に思えてしまう程でした。
ただ、アラームの動作はちょっと感度が悪く、センサーを追加出来るシステムだったのでピエゾセンサーを追加購入し、フロント,リヤの左右に取り付け、ちょっとしたいたずらにも対応出来る様にしました。
ウインドゥクローズですが、通常はリレー接点を平常回路に繋げて置き 通常通りスイッチで動作出来る様にし、リモコンでONした時、リレーがONしクローズ側の回路が繋がる様にしました。
ウインドゥが完全に閉まっても回路がONしたままでも大丈夫なのかと疑問を持つかと思いますが、ドア内部にリミットスイッチが入っており上昇端になった時、モータへの回路は遮断する様になっているので心配ありません!
これでウインドゥクローズもクリア出来たのですが、BMWのCPUのタイマーによってウインドゥの開閉回路を制御しており、キーオフから5分ぐらいでウインドゥスイッチは無効になってしまうのです。しかしリモコンでウインドゥクローズをする時は、車から出てうっかり閉め忘れてしまった事に気が付く時が多いので、これで十分だと勝手に思い込んでます。

今回の取り付けは内装を剥がさなければならなかったで結構大変でしたが、配線自体はさほど難しいものではありませんでした。
配線色が分かっていてキーレスだけでしたら半日の作業でしょう。E34お乗りの方チャレンジされてはいかがでしょうか?
ただし年式、型式で配線色が違っても責任はもちません(笑) ...もちろんアドバイスはしますので気軽にメールください!
きっとうれしくなって取り付けた途端、不必要にロック、アンロックしちゃいますよ!

最後に皆さんの参考のために配線色および場所などを表にまとめておきます。
92y Bi−TURBOもE34 535iベースです。

機能配線色配線取り出し位置 その他
右ドア ロック線白/黄右サイドキックパネル裏(グローブボックス右下、スピーカーパネルと同一)この線に+12Vを掛ける事で動作する
右ドア アンロック線白/黄/緑
室内灯ON(ドアスイッチ)茶/赤ルーフ室内灯、中央のランプの片側をアースに落とすと点灯する。
常時+12Vステアリングコラム内側の右側。太さ2mm2の線。それぞれキーの回転位置によって+12Vが出力される
イグニッションON
アクセサリーON
スターターON黒/黄
ブレーキランプ青/赤ブレーキレバーの根元のスイッチ。4ピンコネクターの下から2番目。ブレーキを踏むと+12Vが出力される
ウインドゥクローズ右 前灰/緑/黄センターコンソールのウインドゥスイッチの配線に接続。ウインドゥクローズの各線をコモンと接続する事で動作する。キーOFF後、数分で回路が遮断されてしまう。
ウインドゥクローズ左 前灰/青/黄
ウインドゥクローズ右 後灰/白/黄
ウインドゥクローズ左 後灰/白
ウインドゥクローズ コモン
ハザード茶/青センターコンソールのハザードスイッチから分岐させた。アースに落とす事でフラッシュする


参考:今回取り付けたアラームシステムのメーカー及び型式
カーアラーム:WISTLER SPECTRAM WH−700
スターター:WISTLER REMOTO ENGINE STARTER
ウインドゥクローズリレー:OMRON MY4 DC12V
その他リレー:カーショップ販売の20Aリレー

TOSHINORI.URABE
E−MAIL tu-121@mars.dti.ne.jp
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