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第8話 「おまけの話いろいろ」

(作成:1997年10月3日 改訂:1997年10月4日)

(TEXT : そえそえ / E39 528i )

本当は話題の最後におまけで書くつもりだったのですが。意外に面白かったのでち ゃんとまとめてみる事にしました。

<525vs528>
100キロでの振動の乗り比べの時、乗車感覚にかなりの違いがあったのでこの差はな んだろうと思いカタログにその答えを求めました。
カタログによると変速比と最終減速比は全く同じ(全く同じミッションを使ってい るから)でタイヤの直径もほぼ同じなのでエンジントルクの差が加速性能の差に直 結しているようです。ではエンジンの性能曲線からその差を見ると、525と52 8では排気量は12%しか違いませんが1000−4000回転の実用領域では20−15%ほど のトルクの差があります(528の実用領域トルクは3000ccのエンジン並み!)。40 00回転以上の高回転領域ではその差はどんどん減少し5000回転で13%、6000回転で は10%ほどしか差はありません。つまり525はやや高回転型の馬力(最高速度) 重視のエンジン528は実用領域でのトルク(加速力)重視エンジンという性格の 違いが運転感覚の違いに現れたものと思われます。525と528では最高出力で13 %の違いで最高速度の差も僅か(たった8km)ですがそこに至るまでのトルク(加速 力)の差は排気量以上に大きいと言う結果がカタログからも読み取ることができま した。カタログから性能を予想するというのも結構面白い試みでした。

<新5シリーズのミッションが壊れない理由>
昔のBMWは馬鹿みたいにミッションが壊れたらしいですが(特にZF製ミッショ ン搭載車)。それはエンジンの制御とミッションの制御がかみ合ってなかったため 。DMEというエンジン制御システムを取り入れてからはこのような事は一切なく なったそうです。(メトロの営業さん談)

<Dレンジだとフル加速しない理由>
Dレンジでスタートダッシュをしても0−100km7.5秒のフル加速は得られません。 どうやらコンピューターが介入してわざとジェントルな加速をさせている様なので す。その証拠に、いったん少しだけアクセルを踏み”普通の加速だよ”とコンピュ ーターをごまかしてから、ガツンとアクセルを床まで踏み直すとはじけ飛んだよう に加速を開始します。
どうしてもゼロ発進でフル加速したい状況の時(例えば流れの速い国道に信号のな い脇道から合流するとき、ガソリンスタンドから出るときなど)にいちいちこんな ことやってられないですよね。フル加速をさせるためにはもっと簡単な別の方法が あります。Sレンジです。Sレンジにしておくとゼロ発進でもはじけ飛んだような 加速をしてくれます。

<スピードリミッターは210km?>
メーター読みだとふわわkmで効いているような感じ。国産車にありがちなガッンと 効くリミッターではなく、いつ効きはじめたのかわからないけど気がつくとふわわkm にメーターが張りついたまま動かないと言うタイプのジェントルなリミッターです。 ドイツ仕様のふえわならともかく、ふわわ付近でリミッターが効くのは車の性能を 無駄にしているようで気分がいいものではありませんが(特に540の方には同情 します)、日本の交通事情では突然追い越し車線に飛び出してくる低速走行のトラ ックとか、どれだけ前がすいていても道を譲らないマナーの悪い車などが多すぎて ぬおわ巡航でも不可能な状況ですから、安全を考えるとある程度仕方のないことな のでしょう。

<レブリミッターは?>
528は6000回転ちょっとからレッドゾーンですがリミッターが効くまで回した事 がないので感触はわかりません。

<ABSの感じは?>
カカカカカという振動がブレーキペダルに伝わってくるのはどの車でも同じですが 。528の場合、その周波数は非常に高く、非常に細かいブレーキ制御をしている ようです。

<VANOSバリアブル・カムシャフト・コントロールで低速トルク向上>
VANOSとは吸気バルブのバルブタイミングを12.5度まで状況に応じて無段階可 変にできる機構で、M52エンジンでVANOSを採用してから低速トルクが段違 いに太くなったそうです。最近トヨタもVVT−iという名前でほぼ同じ機構を採 用してます。

<528・525の5ATは日本製>
良く知られてますが、528・525の5ATミッショ唐ヘジャトコ製。540の ステップトロニック5ATはZF製です(いったん出入り禁止になってたZF製ミ ッションが再び採用されているということは、BMWはこのZF製5ATによっぽ どの自信があるに違いありません。)

<非常に高い静寂性>
私が最初に驚いたのが、非常に高い静寂性です。ぬおわキロでもラジオのボリュー ムを大きくする必要は全くありません。さすが1000万ドルを投じて音響工学専用の 風洞実験室を作っただけの成果はあります。ただしセルシオのように何もかも音は 一切遮断するというタイプでなく、エンジン音だけは程よいレベルでちゃんと聞か せてくれるところは、さずがBMW。音の演出でも最高のドライバーズカーです。

<ホイールの汚れはBMWの証拠?>
ほんとにすぐ汚れますね。洗っても1週間で汚くなってしまいます。これはローター とパッドの材質の特徴なのですが、それにしても汚れが早いです。対策ですが

1.汚れないパッドに交換する
2.手軽に洗える洗剤を使う
1.については詳しくありませんがあるにはあるそうです。2.についてはパープ ルマジック系の洗剤が一番です。ちょっと値段は高いし匂いもきついですが汚れ落 ち効果はすばらしいものがあります。もちろんみなさんご存知ですよね。

<540は鉄サスペンション?>
ディーラーで確認したところ本当のようです。ちなみにハンドルの形式も6気筒と は異なります。
525・528はラックアンドピニオン。540はリサーキュレーティング・ボー ルです。

<太いワイパーは妻のお気に入り>
ちょっと怪しい題目ですね。太いワイパーは私も大変気に入ってます。太くて丈夫 でとても安心感のあるワイパーが雨をしっかり拭き取ってくれます。相対的に国産 車のワイパーがとっても貧弱に見えます。なんでそんなに太いのかって。。。E3 9のワイパーはベンツの1本ワイパーのように円周方向だけでなく直径方向にも動く タイプなので強度が必要だったのでしょう。また、ふわわ近くでも浮き上がること はありません。こんな所でも作りのよさを感じる事ができます。

<タイヤハウスの前縁のプラスチックの薄い板>
タイヤハウスの前縁にプラスチックの薄い板がついてます。最初は単なる成形のミ スか泥よけと思っていたのですが、実は車のCD値を上げる重要な空力部品だそう です。

<バッテリーもオーディオもトランクの中>
重量配分50:50にこだわった結果ではないかと思います。

<救急用具セットが助手席の下に>
救急用具セットが助手席の下に標準でついてます。中身は開けてないので何が入っ ているのか良く分かりませんが、こんなものまで標準で付いてくるとは驚きでした。

<雨滴検知ワイパー>
賛否両論がありますが。私は雨の量により自動的にワイパーの間隔を調節してくれ るこの機能は便利だと思います。信号などで停車したときには自動的にストップ。 発車すると自動的に再スタートしてくれます。

<電動格納ミラー>
E39からBMWでも電動格納ミラーが標準でつくようになりました。狭い道を走 る私にとっては必需品。非常に重宝しています。

<電動シート>
意外と不便です。細かい調節ができるのは良いのですが、動作が遅いので、後部座 席の小物を(シートを倒して)取ったりするのが面倒です。シート自体の出来は可 もなく不可もなくといったところか。

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