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第1話 「BMWとの出会い その1」

(作成:1997年8月28日 改訂:1997年8月31日)

(TEXT : Papparah / R1100R )
 そもそも自動二輪免許が中型限定から限定解除にならなければBMWとは縁がなか ったので、とりあえず限定解除取得の経緯から書いていこうと思う。

 限定解除は24歳の秋に取得した。当時はまだ教習所で認可されていなかったので 直接運転免許試験場へ行って実技試験を受けて、合格しないと限定解除は取れなかっ た。試験は少なくても簡単ではなかったし、受験10回目、20回目という人もいた のでそれなりの労力は必要だったと思う。それでも限定解除をしたかったのは、単純 に大排気量・高出力のモーターサイクルに乗りたかった事と、未体験のスピードへの 憧れにすぎない。実際、限定解除後に知人に借りた排気量が1リッターもあるモータ サイクルに乗ったときの感動は忘れられない。想像できるだろうか、僅か10秒の間 に停止していたモーターサイクルが200km以上のスピードを出し、更に狂ったよ うに加速しつづける様を。しかし私はスピード狂ではないし、そんなスピードが出せ る道路は実際にはサーキットしかない。結果、しばらくするとスピードへの憧れは醒 めてしまった。しかし大排気量車のメリットは大いに感じることが出来た。トルクが あるので長時間の運転や長距離では楽ちんだし、パワーに余裕があるので追越しなど にも神経をつかわずにすむ。タンデムをしていてもストレスを感じない走りができる 等々。しかし、転職してモーターサイクルを今の仕事で使うようになってから少々不 満が出てきたのである。
 つまり免許取得後購入した国産大排気量車は趣味の道具としては何ら問題はないのだ が、仕事で使うとなると色々と不都合が起きるのである。まず、仕事となれば天候や 道路状況が悪くても乗るので手入れを怠ると錆びだらけになるし傷みも早い。消耗品 の消耗も早く、コストがかかる。しかも走行距離が多くなるに連れエンジンノイズが 酷くなり、最終的にはエンジンのオーバーホールを言い渡された。そんな時、たまた まモーターサイクルの雑誌の制作に携わっている方と、そんな話をしていた時に
「じゃぁ、BMWに乗ってみたら?」
と言われたのである。その頃の私にとってBMWは魅力あるものではなく、購入どこ ろか試乗したいとも思わなかった。
「乗ってみなよ、きっと気に入るよ」
と、半ば押しつけるように私の目の前に出されたモーターサイクル。それはR110 0RSだった。断る理由もないので試乗させて貰ったのだが、その時の印象は
「変なバイク・・・」
だった。何故私が気に入ると思ったのか不思議だった。どうだったとニコニコしてい た彼は、私の一言で凍りついた。
「最低、どこがいいの?」

‥‥と、まぁ最初の出会いは実は決していいものではなかったのである。

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