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第10話 「まじめなメンテのお話その1:オイル漏れの点検」

(作成:1997年6月9日 改訂:1997年7月12日)

(TEXT : やまそうカンパニー / E32-750i)
北関東オフミご参加のみなさん、お疲れさまでした。
楽しい集いだったようで何よりでした。
私は、太郎は元気だったのですが、親戚に不幸が勃発して、急遽参加できなくなってしまいました。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
またの機会に是非参加したいと思っています。
さて、今回は悶絶ネタからちょっと離れて、まじめなメンテのお話「オイル漏れの点検」です。


1. 床はきれいか?

私、その昔、73年式の911Sに乗っておりましたが、こいつが、なかなか、 出血傾向の強い奴で、駐車場の床はいつも新鮮なオイルでぐちょぐちょでした。
出血量で、エンジンのコンディションがわかるという強者でしたので、車を出したあとはいつも 駐車場の床をなめるようにチェックしていました。

現在、太郎2号は、以前、このコ−ナ−に書きましたように「アカデミ−」製のガレ−ジに入れてあります。
太郎を車庫から出して、車庫をしめる際には、いつも、車庫の床をチェックしています。


2. オイル漏れのチェックポイント

オイル漏れは、少量であっても持続的に漏れていれば車は「貧血」状態になってしまいます。
貧血がひどければ、エンジンが焼き付いてしまいます。
V12を焼き付かせてオ−バ−ホ−ルすると「さんびゃくまんえんですう」とディ−ラ−は言ってました。
したがって、命に替えてもオイル漏れを早めに発見することが必要です。
オイル漏れをチェックするには、前述のように、日常、駐車場の床に気をつける事が大切だと思いますが、 一か月に一回は、車の下に潜り込んで、オイルのにじみがないかチェックしてみましょう。
(今の時期は、車の下は、涼しくて気持ちよいですよ)

(1) どうやって潜り込むか
車の下をのぞくには、スタンドでリフトアップしてもらうのが正解だと思いますが、 私のような、「サンデ−、一日中でも車いじっていたい」派にとっては、 ゆっくりと何時間も車の下を点検していられないのが難点です。
次の方法としては、ガレ−ジジャッキを購入してきて、車をぐわしと持ち上げて、ウマをかましてしまう方法です。
これは、もっともポピュラ−な方法なのですが、太郎の場合、ガレ−ジジャッキをかます適当な場所がないのです。
もちろんオイルパンにかませばへこんでしまいますし、フロントサスのメンバ−も2トンの車重を考えると、 どこにかましても曲がってしまいそうです。
(ディ−ラ−のメカも「ガレ−ジジャッキをかまさないでね」と言ってました。)
そこで、秘密兵器登場。知ってる人は知っている、「スロ−プ」君の登場です。
スロ−プは鉄製のラダ−状の斜面です。
長さは60センチはば25センチくらいのくさび状の斜面です。
これを左右1対、前輪の直前に置いて、車を前進させ乗り上げます。
そして後輪に車止めをかまして、サイドブレ−キを引いて、ギアをパ−キングに入れればOK。
この状態で、車の下に、段ボ−ルを敷いて、仰向けに、車の下へと潜り込みます。
(段ボ−ルはつるつる滑るので、背中ですべって車の下を移動するのに便利。
汚れたら捨ててしまえばいいものね。)
スロ−プ君は「鳥海商会」などで1万5千円くらいで手に入ったと思います。

(2) どこをチェックするのか
まずは、なんといっても「オイルパン」でしょう。
空気整流のための、アンダ−カバ−をはずすと、オイルパンが出てきますので、オイルのもれやにじみがないか、 オイルパンを締め付けているボルトに沿って、念入りにチェックします。
太郎の場合は、たいがい、ここで、オイルのにじみが見られます。
にじみが見られたら、10ミリのボックスで増し締めします。
このとき、あまり馬鹿力でしめると、オイルパンのパッキングを切ってしまいますから、ほどほどにね。
増し締めする前に、脱脂剤などをスプレ−して漏れたオイルをきれいに流しておきましょう。

続いて、オイルク−ラ−などにつながっているオイルラインのパイプを追ってゆき、 特につなぎ目を中心に、漏れがないか、念入りにチェックします。
もれや、にじみがあったら、直ちにディ−ラ−に持ち込んで、修理してもらいましょう。
(そのまま乗っていると、突然、大出血するよ!)

ついでといっては何ですが、パワステのライン、特にパワステのリサ−バ−タンクから出ている ホ−スのつなぎ目やパワステポンプへの継ぎ目もじっくり見ておきましょう。

また、ラジエ−タ−のロワホ−スの締め付け状態や、ア−スの状態などもチェックできます。

潜ったついでに、下回りの増し締めもしてしまいましょう。
汚れがひどいようなら、え――い、これからの季節は暑いんだから、水をかぶりながら、洗ってしまいましょう!

私は、洗った後に、半年に1回、シャ−シブラックを吹いています。
錆止め効果などは気休めですが、なんかてかてかと黒光りする下回りって「面倒見てやってるんだぞう」と いう実感がわいて、精神衛生上好ましいです。
(こんな事を思うこと自体、精神衛生上問題があるのかもしれませんけど)

あと、見落としてはいけないのが、デファレンシャルです。
こいつも、ドライブシャフトの付け根のシールのあたりからひっそりと出血していたりします。
デフがオイル切れでいってしまうとこれは高くつきますから、駐車場の床は、デフの下も注意して見ましょうね。
デフをチェックするためには、いったんスロープ君から前輪をおろして、後輪にスロープ君をあてて、 今度は後輪を持ち上げます。
絶対に前輪の車止めを忘れないようにしましょう。

せっかく、後輪を持ち上げたのですから、ついでに、次のようなところもチェックします。

(1) マフラー
マフラーのエンジン側の付け根はよく錆びます。
早めに見つけて、錆を落として、防錆剤(ジンクコート)などを吹いておきます。
(交換となるとマフラー高いよ。部品だけで17万円弱します。)

(2) フューエルフィルター
ガソリンタンクの脇にフューエルフィルターがあります。
こいつにつながっているフューエルホースがゆるんで、ガス臭いことがありますから、 よくにおいを嗅いでみて、臭いようだったらホ−スバンドを増し締めします。
それでもにおいが止まらないなら、即、交換じゃ。

(3) ドライブシャフトのゴムブーツの切れ・やぶれ
こんなトラブルを放置しておくと、中が錆びて、大変なことになります。
手で押したりさわったりして、よおく点検しましょう。

さて、人間様と同じで、早め早めの異常発見は、経済的にも効果絶大です。
とはいっても、BMW道はそんなに甘くはない。
点検をさぼったところが、見事いかれるのだ。


次週は、このまじめなメンテを踏まえて、 「爆裂音とともに、大出血。なにごとだあぁぁの巻」をお送りします。
さらば。

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