[メンテ8]  (←前) (次→)

第4話 「エアコンの子牛」

(作成:1997年7月24日 改訂:1997年8月1日)

(TEXT : たく / E36-318ti)
エアコンの中の子牛:

エアコンの異音のことは,メンテ1の玉テクさんも書いておられますが,私もこれに悩 まされましたので,紹介します.
年式にもよると思いますが,318tiを含めて,一部のE36のエアコンは,異音が発生す ることがあるようです.
他の車やバイクが近づいてきたのかと思うような音で,「うぃー ん」とも「くおぅーん」(by 玉テクさん)とも言える音です.
どなたかは,エアコンの中に子牛がいると言っていましたが.
この子牛,一人で乗っている分にはともかく,人を乗せたときなど結構気まずい思いを するし,いちいち説明せねばならないため面倒です.


子牛の成長記録:

私の318tiは95年の春に購入後,その年の夏には子牛が登場し,だんだん成長しました.
走り始めて数分経つと鳴き始め,中低速で軽く加速するときによく鳴きます.
最初の頃は再現性も乏しく,ディーラーに相談してもわかってもらえず苦労しました.
よく言われるように,わたしの318tiもディーラーの前ではいい子になることを覚えていたのでしょうか.
その年はまだ同じ症例の車が少なかったからかも知れません.
しかし義兄一家の同じ95年式の318tiもまったく同じ症状が出ていましたので,私の車に固有の問題では なかったと思います.
何回目かについに子牛はディーラーでも確認されました.
ガス圧の調節をしてもらい,症状は軽くなりましたが,完治できませんでした.
2年目の夏も同様でした.
子牛はますます成長し,もうもう鳴きっぱなしのときもありました.
ディーラーで少しいじってもらえば,一時的には収まるので,この夏もだましだまし過ごしました.
ちなみに私は,湿度調節のため,窓を閉めて走る限りエアコンは1年中ONにしています.
日本海側は冬でも湿度が高いし,常に使った方が機械には良いような気がしますので.
異音は気温が高い季節のみ発生しました.
これは直らないものと半分あきらめていましたが,3年目つまり今年の春,2年点検の 際に,そろそろまた音が出はじめたことをディーラーに告げたら,完治して戻ってきました.
何がどうなったかよくわかりませんが,メーカーから強力な解決方法が出されたものと思います.
それ以来,いっさい子牛は鳴きません.
とにかく今年の夏は快適に過ごせそうです.


BMWのエアコン:

ところでこの異音はエアコンの効きには本質的に影響なかったように思います.
音が直って,特に効きがよくなったわけではありません.
相変わらず,国産車に比べると効きが弱いです.
もっとも,長時間運転が多い私にはちょうど良く,不満はありません.
ヨーロッパ,特に私がいたオランダでは,(本物の)子牛はたくさんいますが,エアコ ンがついている車は希少でした.
たぶんドイツもそうだと思います.
理由は,ほとんど必要ないからです.
1年の3分の2は日本の5月のような気候でした.
カブリオレがまさに水を得た魚のようでした.
生まれ故郷とはまったく違う気候の国に,非力なエアコンを装備して輸出され, クレームに耐えながらもがんばるBMW車は,なんて健気なのかと思ってしまいます.

[メンテ8]  (←前) (次→)