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第4話 「購入物語 ―パート3―」

(作成:1997年3月11日 改訂:1997年7月12日)

(TEXT :O−chan / E36-318is)
★そして試乗
さてさて、そろそろかな、と思った直後、 ようやく営業さんが切り出した。
『で、どうでしょう。BMW。きっと満足すると思いますが…』
きたきた、ようやくきたな。
さてこの人どんな攻め方してくるかな?
なぜか、相手の出方をうかがう余裕が出てきた。

『もしよろしければ試乗車があるので乗ってみますか?』
『えぇぇぇ!いいんですかぁぁぁぁ。乗せてもらってぇぇ、どうしよう!』
まさかいきなり車に乗れるとは思わなかった。そうかそうか優しいなぁ。
よーし、じっくり観察するぞ。

………この時、当然助手席だと思った。
まさか運転できるとは………。

そして登場したのは何と真っ赤な325iクーペだぁ!
『すげー!カッコイイですねー』
私は興奮しすぎて、まるでスーパーカーショ−に来た小学生のように はしゃいでしまった。

さらに営業さんの衝撃発言。
『じゃ適当に1時間くらい走って戻ってきて下さい。右ハンドルだから大丈夫でしょう』

ガガガガガーンンンン!!

まさか一人で乗ってきていいとは何という太っ腹!
続けて営業さん、涼しい顔でこう言いました。
『それと、できれば高速乗って180キロくらいからフルブレーキングしてみてください。 ブレーキ性能が分かりますから』

ドヒャヒャヒャヒャーァァァ!

この人マジで言ってんの?冗談でしょ!
そんなこと出来る分けないでしょ!
自分の車だってやったことないのに、試乗車で、しかもBMWでそんなこと。
と思いながらも、そこはやっぱり元走り屋、 しっかりやっちゃおうと心に決めた。

営業さんの笑顔をその場に残し、私の運転する真っ赤な325iクーペは スルスルと走り出した。
そのなめらかでしなやかな走り、NA6気筒の音、下からついてくる加速感、 ボディの剛性感、ブレーキのタッチ、ハンドルから伝わるインフォメーションの確かさ。
全体から発散する高級感。

どれも極上だ!それに今乗ってんのBMWだぜ、BMW。
視線が痛いぜ!
乗りたくても乗れねぇよ、こんなスゲー車。
『ヨーシ。行っちゃうぞ。高速ブレーキング!』
結局道混んでて160キロからのフル制動。
ABSを効かせながら、かつて経験したことのない減速Gで車は止まった。

……『買うぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!』

この瞬間にすべてが決まった。
俺はBMWを買う。ぜったい買う。借金なんか怖くない。
買う、買う、買う、買う、ぜったい買う!!!
こうして私はBMW318isの購入を決定した。(続く)

さぁ、いよいよ盛り上がってきました。
次回は『値段交渉』です。お楽しみに!

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