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第3話 「購入物語 ―パート2―」

(作成:1997年3月8日 改訂:1997年7月12日)

(TEXT :O−chan / E36-318is)
★BMW急浮上
スカイラインに乗ってた私の最初の選択肢は、 当然といえば当然のR32スカイラインGT−Rです。
実はインパル号に乗ってる頃から『次はRだ!』と友達に宣言していたのです。 スカイライン党にとってGT−Rは特別な存在。誰だって夢見ます。 そういう事で当初はGT−Rしか見えてませんでした。 し・か・し……大事なことに気が付いたのです。 『GT−Rなんか手に入れたら当然改造するよなぁ』 そうなんです。結局インパル号と同じ事になるだろうと思ったのです。
パワーは麻薬です。 絶対満足できなくなってモアパワーを望むでしょう。
パワーを得れば、今度こそ足をいじるでしょう。 ブレーキも、タイヤも………!!

『同じだ!また同じ事になる。もうやめるって言ったじゃないか。』 私は悩みました。 GT−R。夢にまで見たGT−R。スカイライン党の夢。終着駅。 そんなとき………ようやく大事な事に気が付いた。

『ある、あるじゃないか!あの車があるじゃないか。 スカイラインの目標となった車。世界のスポーティーセダンの見本。 BMWがあるじゃないか!』 これだ!これしかない。

私のすべての要求に完璧に答えられるのはこの車しかない。
グロリア時代に嫌というほど味わった高級感、質感。スカイラインで学んだ運動性能。
これらを両立できるのはBMWしかない。
しかもBMWにはMT車があるじゃないかぁぁぁぁぁ!!
318isこれだぁぁぁ!
左ハンドルしかないけど、きっと慣れるだろう。
評論家もバツグンだと誉めてるぞ!
なになに、1800の4気筒で140馬力。
う〜んチョットパワーないけどM3は論外だし!
BMWといったらホントは6気筒だけど、こいつは鼻が軽いぞ。よく曲がりそう。
写真みりゃ、これぞまさにフロントミッドシップ!
いいぞ、いいぞ決めた!こいつだ!318isの5MT。

俺が選ぶのはこれしかない!

★いざディーラーへ
恐る恐るディーラーへと足を運んだ私は、その敷居の高さそう雰囲気と きれいに並べられたBMWに圧倒されていた。 私の足は自然と3シリーズの方に向いていた。 目の前に320iがあった。実物をこんなに近くからじっくり見るのは初めてだ。

勇気を出して中に入ると、そこにはすべての計器がドライバーの方を向いた コクピットと呼ぶにふさわしいインテリアがあった。 もう一度外に出て、ぐるり一周なめるように観察した。 『ほ、欲しい。どうしても欲しい。』 緊張でふるえる体、高鳴る鼓動。 そうだ、そうなんだ。俺はBMWのオーナーになるんだ。

……一人の営業マンが近づいてきた。

き、来たぁぁぁ!ついに来たぞ。 どうしよう。なんて言おう。心臓が爆発しそうだぁ!
『すいません。BMWをご検討ですか?』
『え、えぇ。まぁ。い、いいなぁーと思って…』
精一杯の返事だった。
まさか『はい。318is買おうと思いまして。当然マニュアルでね』 なんて言えるはずがありません。 そんなこといきなりハッキリ言ったら殺されそうでしょ。 『バカやろう。おまえみたいな若造が買える車じゃねぇんだよ!早く帰れ』 なんて言われよう物なら家まで半べそで帰るに違いない。

……と・こ・ろ・が、全然優しかったです。ここの営業さん。

『そうですか、いい車ですよ。どうぞこちらへ』
にっこり微笑むその顔に偽りは感じられなかった。少しほっとした。 近くのテーブルで待ってるとコーヒーを持って先ほどの営業さんがやってきた。 その後は商売抜きで、車の話で盛り上がる。1時間以上だろうか。 コーヒーもお代わりした。

さてさて、そろそろかな、と思った直後、 ようやく営業さんが切り出した。
『で、どうでしょう。BMW。きっと満足すると思いますが…』(続く)

次回は『そして試乗』です。お楽しみに!

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