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第15話 「筑波で走らせました・・・前編」

(作成:1997年5月5日 改訂:1997年7月10日)

(TEXT : 玉テク / E36 320i)
筑波サーキットにて,玉テク320を思いっきり走らせてきました。
さて,320セダンATで一体どこまで走れるのか,また装着したタイヤ,サスペンシ ョンの効果はいかに?
前編は,オフミの1日の流れにあわせて,その感想をレポートいたします。


1.5つのM

講習会に臨んだ玉テク+320を再度チェックしておきます。

●Man(ドライバー玉テク)
・サーキット走行は初体験。
・ヘルメット,グローブ,長袖で武装し,体調は良。
・秘かにisとの勝負だと気合いを入れる。
 325との対決もSUNRISEさんに注目されましたねー。

●Machine(玉テク320)
ご存じの通り,93年E36−320iA4。準備として安全の為,レンズには全 てテーピング,フロアマットも運転席は取ります。規則ですね。また,軽量化の為 、スペアタイヤ,室内の小物,液晶モニタなど,ほとんどのものを車内から下ろし ます。後はウオッシャ液を半分以下にしています。そして,タイム計測の為,計測 センサーをルーフに取り付け準備完了です。
・タイヤ空気圧は,F・R:2.4kg-
・ガソリンは,残30L(メータ中央付近)

●Material(特別なパーツ)
街中ではドレッシーなこれらのパーツ。サーキットで質実剛健,機能のパーツで有 ることが証明されるのでしょうか?さて?
・DTM17inch+ミシュランSX-GT  = 9分山
・アイバッハ+オーリンズ        = 交換後2000km走行
・SUNRISEオリジナルブレーキパッド = 交換後1000km走行
・Mテクエアロ(F・R)          = 装着3ヶ月半
・K&Nフィルター            = 前日クリーニング済み

●Method(走り方)
もと学生ラリーストから社会人林道族(これは秘密だった)としては,グリップ走 行は速いのは理解してますが,どうも限界の手応えに不満があります。今回は初走 行と言うこともあり,タイムが出なくとも自分の走りでと言うことで,結果ドリフ トアウトを容認して(?)全開走行としました。とにかく「試してみようBMWと自分 の腕を」で臨みました。

●Money(おいくらですか?)
参加費2万3千円ポッキリです。走行費,景品,弁当,飲み物,プロのおねーさま のサービスでこれは安と思いました。
しかーし,楽しめばそれなりに世の中お金のかかる仕組みです。これはあとで・・。


2.午前出走

走行形態は,A,Bグループに分かれて午前,午後30分ずつの走行です。おたっ きーずは全員Bグループでの出走です。
午前は慣熟走行があり,ペースカー(R33GTR)に先導され約50km/hのペースで,3 周します。ペースカーが,走行ラインとブレーキングポイントを教えてくれるハズ なんですが、中間を走っていた玉テク320には,その情報が全く伝達されませんでし た。まるっきり前車のラインはウソ,それにブレーキランプは点かないんです(残 念)。仕方なく自分で前車に関係なく適当なラインを創って走りました。

いやー初めてのコース走行,狭いって聞いていたけど,全然広いとおもいましたよ 。ブラインドコーナーないし、対向車いないし、物は落ちてないし(これらは当た り前か!),路面はすごくきれいで,バンクもとってあり車はなめらかに走ります 。後で思ったのですが,ここで1日ならし運転出来たら幸せだなーって思いました。

あっと言う間に3周回り,一旦ピットインです。再度ピットロードに整列駐車し, 本スタートを待ちます。緊張は高鳴りますねー,この瞬間。はじめての初体験(な んのこっちゃ?)を思い出します。いざその時がやってくるのです。33歳にして ・・。

さあ玉テクへのコースイン指示が出ました。ATは「スポーツモード」,ゲージは 「2」で発進です。
フルスロットルで発進,すぐに第一コーナーです。手動でシフトアップを行い「3 」にします。まだ前車もとばしてないようです。タイヤを暖めなきゃと思いながら じっくりついて1周しました。2周目ダンロップコーナーを抜けたところで,ペー スのあがらない前車をパスさせてもらい。最終ヘアピンに飛び込んでいきました。 抜いた勢いがありフルブレーキング,しっかりフロントに加重を残しステアしてい くと,クリップに向け軽くターンインをはじめるとともに,リアが出てきました。 自然なカウンターを当てたつもりが予想以上流れは大きく,フルカウンターとなり やや失速しながらの立ち上がりとなりました。
これが,玉テクのBMW初のフルカウンター経験であり,記念すべきコーナリング であります。
アンダーステアをとにかく出さないように気を使いつつも,何度も突っ込んだこと のあるラリー(60,61,71レビン/トレノ)経験から比べ,こんなにオーバーステア になるのか!コントロールしやすいじゃん!と思う瞬間でした。

しかし,そんな調子でヘアピンを抜け出し裏の直線を全開で走り,140km/hちょ っとでなぜか?ノーブレーキで最終コーナーに進入してしまいました。難なく曲が って行きましたが進入300m位で,あれこりゃまずいと思った瞬間,アクセルを 抜いたとたん,またまた期待?した後ろが,どーっと流れだしました。今度は慣性 が相当大きく,1回のステアでは修正できず,おつりをもらいつつ3〜4回振られ ,最後はステアセンターが分からなくなったのと,ここでブレーキングしたら,イ ンに突き刺さるのがはっきりイメージできたので、ステアから手を離し,進行方向 をとらえた時点でアクセルオンで立ち上がりました。このときにはほとんど最終コ ーナー出口まで進んでいました。
おー,こわー、よかった。調子に乗るとこりゃマズイぞ。と心を引き締め直しまし た。

さて,3周目からは車の特性をつかもうといろいろな速度でコーナーに進入しまし た。昔から突っ込み癖のある(「自制心の無い走り」と,学生時代はよく言われま した)玉テクはやはり進入速度が速すぎる(ブレーキが遅いだけですが)のか,テ ールが慣性でどんどん出てきます。パワーでそのスライドを維持、進行方向に持っ ていければ,もう少し見た目もかっこいい?んでしょうが,失速してしまう分,明 らかに遅そうです。
その後,再度最終コーナで真横を1度向きつつも,ケガなく午前中の走行を終えま した。
30分ノーピットで走った体は汗だく,精神的にも限界を感じました。
さて車はどうなってんだろー?と水温,アイドリングをみるとこれは全く平常。エ ンジンからも異音は全くしません。(昔レビンではよくタペットの打音がしていま した。)
そして問題のタイヤは,表面溶けてます,一部ブロックを欠いたところも見受けら れます。タイヤくずがホイールにポロポロと付着しています。これが,タイヤのダ メージか・・深く考えると午後に影響有りそうだと,自分を守る思考が働き,それ 以上は考えませんでした。

お昼です。用意されたお弁当をみんなで食べた後,プロドラーバー藤島敏也さんか らドライビングポジション,ステアリングワーク,走行ラインについての講習を受 け,午前の走行を思い出しながらじっくりとお話を聞かせて頂きました。
その中で,ダンロップコーナーはBMWはノーブレーキでOKですと聞き,そうな んだと素直に午後にトライすることにしました。


3.午後出走

午後も30分間の走行です。今度は慣熟はありません。ピットロードに整列後,ど んどんコースに出ていきました。
1周目は,ゆっくりと走ります。今度は後ろに,MさんのM3アイディングが付け ています。また2週目には前車をパスして前に出ました。Mさんもついてきます。 その後裏のストレートで,なんなく330psを見せつけられ,まるで走行車線巡 航中の玉テク320を追い越し車線から,ぶち抜いきます。しかし,その先の最終コー ナーではMさんに追いつかせて頂きました。(ホホホ)
次第にいなくなった,Mさんをよそにひたすらノーピットで周回しました。S字で スピードを乗せ第一ヘアピンで慣性ドリフトターンに何度も臨み,おたっきーずギ ャラリーにサービス?しました。
そして,問題のダンロップコーナーですが,どうしても怖くてブレーキをチョンと 踏んでしまいます。「手前で一度直線を作り進入・・・」との講義を思いだし,何 度もチャレンジしました。10周目くらいからそのリズムが何となくわかりノーブ レーキで入れるようになりました。ヨッシ!。
ブレーキもABSも徹底的に試し,そして18周でチェッカーを受けピットインと なりました。


4.終わって

うーん,満足!。車から降りて,O−chanと「これが限界だね。もう走れって 言われても勘弁だね」と,お互い満足感と,緊張の限界でを感じていました。
タイム計測結果が,配布されベストラップ1分18秒台が出ておりました。(あれ ?自分では1分15秒くらいかと思っていましたが・笑)タイム結果については別 に,中橋さんがまとめますので,またみなさん参考にされるとよいかもしれません。

それにしても,人間はさておきBMWはよく走ってくれました。たかだか150馬力の3 20ATでも結構走ってくれました。走りのBMWは真実です。今まで4年間乗って きた我が車に,こんな潜在ポテンシャルがあるなんて思ってもいませんでした。
またまた、BMWに惚れてしまいまった始末です。願わくば,モアパワー+MTを 願う次第です。よっしゃ!将来はやっぱりMTだと心に決めて帰路につきました。


5.ちょっと気づいたこと

・ガソリンはメータ半分から,警告灯がつく寸前まで減っていました。コース総走 行距離が44kmくらいでしたから,かなりガソリンを食っている様です。あまり少 なくしていくとガス欠になってしまう可能性があります。
・ブレーキパットはノーマルだと3周に一回はピットインして下さいと。主催のSUNR ISE Blvd.さんは話されております。注意しましょう。
・大満足したのですが,どうしてもタイヤのことが¥現金としてちらつきます。こ れが喜びをスポイルしてしまします。貧乏な自分を忘れて楽しむ事が必要ですね。 ・にゃんこ先生の車は非常に残念でした。人間が無事でなによりです。どうか早く 立ち直って下さい。そして一緒にまた走りましょう。


さて,後編はマテリアル分析をしてみます。一体効果はどうだったのか? 楽しみにして下さい。

(つづく)

筑波

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