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第78話 「BMW 320si インプレション by スポエボ師匠〜その2」

(作成:2006年7月14日 改訂:2006年7月15日)

(TEXT & PHOTO : 中橋 / E90-320si & MINI Cooper Convertible)
(Special Thanks : スポエボ師匠)


またまたスポエボ師匠から320si のインプレションをお送りいただきましたっ!
第72話 「BMW 320si インプレション by スポエボ師匠」 の続報です。

スポエボ師匠
スポエボです!
徹底的に走りました。
少し否定的な部分もありメンテネタとしてはモチベーション下がってしまうかなあと思い迷いましたが、
本来の320siの位置づけをわかってもらい欠点も含めてじっくり乗ってほしいということで文章にまとめました。

本当にいつもいつもありがとうございます。m(_ _)m

スポエボ師匠
1.430kmほど走り込み初期慣らしは終了となりました。
+STUDIE-デモカーはいつもそんな感じです(笑)。
家族でドライブというパターンも多く一般的な実用性に関しても充分チェックできたと思います。
結論としては2.600台限定のホモロゲモデルを所有しているということが最大の魅力で、
走りに関してはあくまでホモロゲベースカーということですからまあおとなしいほうだと思います。
ピークパワーは173PSあるわけですからE36/318iSなどに代表される4気筒ユーザーには歓迎されるのかもしれません。
でもトルクは2.0リッターNAエンジですからE90ボディを引っ張るには少々荷が重いというのが正直なところです。
それでも毎日の足としてエンジンマナーは非常にいいですし、5.000rpm以上をキープさえすれば気持ちいいパワーとサウンドをばっちり楽しめます。

ちょうど同じぐらいのパワーの323iと320siの乗り味を比べられるのは師匠ぐらいだと思いますので、非常に参考になりますっ!
その最大の魅力の前にはどんな欠点もアバタもエクボな気分です。(^-^;)

スポエボ師匠
独断と偏見かもしれませんが、利点欠点を列記します↓

<利点>

○高回転での艶っぽいエンジン音
○あくまで滑らかなエンジンの回転フィール
○5.500〜6.900rpmまでのパワー感
○アクセルオフでのレスポンス
○100km/h以下でのPS2ランフラの圧倒的な乗り心地のよさ
○コーナリングでの気持ちいい回頭性

<欠点>
○6.900rpmで頭打ちで7.300rpmまでは実質常用できないこと
○ヒール&トウでアクセルがほとんど反応してくれないので回転合わせがつらいこと
○あくまで6気筒と比べてですが高速道路での安定性

 BMW

常にとっかえひっかえ177PSの323iAと乗り比べてみて320siはコーナリングとPS2ランフラが一番印象に残りました。
この二つは320siだけの特長ではないというところが問題で(笑)、一番の”売り”である肝心のエンジンはおとなしいものでした。
323iAがどんな回転域でも必要以上のトルクを得ているのに対し、320siはマニュアルなのに4.000rpm、 いや5.000rpm以上でないと元気な加速は得られません。
このエンジンが活きるのは筑波1000などのショートサーキットで5.000〜7.000rpmに釘付けできれば コーナリングの素性は抜群なので楽しいでしょう。
一般道のワインディングではローギヤードなため2速が早く吹け切ってしまい、3速ではトルクパワーとも 足りないのでのんびり走行になってしまいます。
圧縮比UP(10.5→11.0)と吸排気バルブ大型化はいいのですが、レースでの高回転化のために ストロークを2mmショート化してるのが常用域での細さにつながっているようです。
それでいてハイカムに乗ってきれいに吹け切るかといえば、6.900rpmで完全に頭打ち、 レブの7.300rpmまでは惰性で回るだけなので常用しても意味がないでしょう。
その点130iや330iの6.000〜7.000rpmは実に官能的なサウンドでシャープにカムに乗る勢いがありまだまだ 回ろうとしますので量産エンジンとしては一枚上手です。
この辺はあくまでホモロゲベースエンジンであり市販での安全マージンに徹した感が強いです。

 BMW

そもそもE90ボディにこのエンジンを積んでホモロゲを取得すること自体、BMW AGの都合であり 本来は120siなんて設定が一番似合っているはずです。
でも世界で売ってるドル箱”3シリーズ”に載せてWTCCを走らせることが最大の宣伝になるわけです。
この辺を考えるとホモロゲモデルって本来の市場とは関係ないモデルなんだと思うわけです。
320i以上に普通に走れるわけですからそれでいいといえばそれまでなんですが、 カタログモデルに成り得るスポーツモデルとは性格が違うと思いました。
ゴルフGTIやCクラスが過給器モデルで余裕の動力性能や燃費を確保してる現在、 カタログモデルとして320iの上級車種として売るのは無理でしょう。
BMWの4気筒戦略はこれから”直噴+ターボ”になるんじゃないでしょうか。
既にPSAエンジンとして次期MINI用の直噴+ターボは発表済みでBMWブランドでもそんな路線になる予感さえします。

 BMW

過去BMWの4気筒ユーザーで普段は家族を乗せ、週末は一人でワインディングを楽しむ。そんなオーナー像が浮かびます。
一般道を速く楽にというと他に選択枝はあります。
同じ金額を出せば日本でさえ323iAや130iが買えちゃいますので難しい選択になるでしょう。
20年前320isというS14エンジンを2.0リッターにスケールダウンしてイタリア向けに販売したE30がありましたが、 あれはあくまでMエンジン、トルクもレスポンスもトップエンドでの伸びもやっぱり別格でした。

 BMW

今回の320siはあくまで量産ブロックを使っていますので性格はずいぶん違いますね。

ちょうど同じぐらいのパワーの323iと320siの乗り味を比べられるのは師匠ぐらいだと思いますので、非常に参考になりますっ!
その最大の魅力の前にはどんな欠点もアバタもエクボな気分です。(^-^;)

スポエボ師匠
最後にランフラ派のみなさんには絶対お勧めなのがこのPS2ランフラです。

 BMW

100km/h以下ではランフラの欠点はほとんど見当たりません。
速度があがるほど強化ゴム独特の衝撃と収束しきれない動きが目立ってきますが、 現存するランフラの中ではピカイチの快適性を備えているのは間違いないでしょう。
今後サイズ展開が進むことを強く望みます。

なるほどです。
僕自身、ランフラはこのPS2ランフラが初めてということもあり、他のランフラとの比較ができなかったので非常に参考になりましたっ。
それにしても、本当にためになるレポート、ありがとうございましたっ。
今後ともご指導のほどよろしくお願いしますっ。

続く。


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