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E65にみる最新技術紹介 その2「インテリア」

(作成:2002年5月8日 改訂:2002年5月10日)

E65
今回は、大磯で開催された新型7シリーズの試乗会にBMWおたっきーずスタッフで参加して来ました。 雑誌などではお馴染みとなった新型7シリーズの生の印象と、フラッグシップカーとして装備 する数々の最新技術、そしてちょっとだけ試乗した感想などを織り交ぜてご紹介していきます。
7シリーズご検討中の方はもちろん、そうでない方もこれからの技術に注目です!
これで貴方も7が欲しくなる。(?)

※写真の一部はBMW JAPAN社より提供

(Report &photo : BMWおたっきーず)




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■インテリア〜コンフォートアクセス

【Report by 玉テク】

無段階式のドアブレーキとして、 どの角度でもしっかりホールドされるストッパーが装着されている。狭い場所での乗降時、 かなり便利だろう。しかし、クリック感が無いのに止まるのはちょっと不思議な感じがした。
(写真右:ドア下部のダンパーがその仕掛け)
また、オプションのソフトクローズオートマチック機能によりラッチ位置から電動モーターにて 自動で閉まる装備は付けたい装備だ。



【Report by 中橋】

新型7シリーズは乗り込むときからいままでと違います。
ドアがどこでも止まるだけにとどまらず、コンフォートアクセスとして ドライバーがドアに触れると同時にドアロックを解除するシステムも設定されます。

さらにドアハンドルにも小さなスポットランプが点灯し、ドア付近の地面を照らしてくれる 細かい配慮にも驚きました。







■インテリア〜フロント

【Report by 中橋】

内装の仕様の違うモデルに乗りましたが、当然ながら高級でひろびろ。

運転席に座ると、iDriveコンセプトとして、 ドライビング機能とコンフォート機能の2つのゾーンにわかれた構成になっています。
ドライビング機能部分はステアリングホイールに集約、コンフォート機能部分は センターコンソールにまとめられています。
メーター類、ディスプレイの視認性は非常に高いです。 特筆すべきは目に見えるスイッチ類が激減したことでしょう。 メルセデスS320と比べると雲泥の差です。
iDriveは内装を広々とした印象を与えるのに役立っています。

iDriveの操作については後述しますので、そこを除いてレポート。

センタートンネルのシフトレバーがなくなり、完全なシフトバイワイヤーです。
そのため、いままでのBMWとはかなり操作系のポジションが変わってしまったことは よい点でもあり悪い点でもあるのかなと思いました。 いきなり乗り込んで走り出しながら無意識に操作できるかといえば、 僕には無理でした。
いつか、ゼロから機能を追及したニューデザインに移行するのであれば まず7シリーズからというのは正解なのだろうと思います。
慣れれば今までより便利なのはよくわかるつくりです。

また引き出し・小物いれ、ドリンクホルダーなどかなり細かい部分で 便利さがアップしています。 国産車かと思わせるほどです。
フロントアームレスト下部のセンターコンソールの収納スペースは予想よりはるかに深く広く、 A4サイズの書類がかなり収納できるぐらいでした。
ここにはドコモの携帯電話をつなぐケーブルなどもありITバリバリな 一面ものぞかせます。
電話との融合という面では、ハンズフリー対応、電話をかけるための テンキー(?)、プライバシーを守るための受話器などが組み込まれています。 使わないときはすっきりと隠されるので普段は気にする必要もないつくりです。

シートは豪華な皮に目が奪われますが、すわりごこちも文句なし。
ポジション調整は当然電動。さらにマルチファンクションコンフォートシートに 至っては調整箇所が多すぎてベストなポジションってなんだろう?と 頭が混乱するほどでした。
シートクッション部がツーピース構造になっていて、周期的に上下に動いて 疲労を軽減するアクティブシートもうらやましい装備のひとつ。
シートヒーター/ベンチレーション装着車はさらに快適なのでしょう。 シートクッション部分とバックレスト部分の温度すら個別に調整可能と いわれてももはや僕の理解を超えています。

ステアリング周りもトピックスだらけです。
マルチファンクションステアリングホイールで、シフトモード(S/M/D)の切り替え、電話、 オーディオ、プログラマブルスイッチを操作可能です。
またプログラム式クルーズ・コントロールがステアリングの左下のレバーに設置されて います。使用頻度の高い速度をスイッチ操作で呼び出すことができる便利な 仕様になっています。
ステアリング丈夫についた銀色のボタンはステップトロニックですが、これは オートマチックの紹介で後述します。

メーター周りもインフォメーションディスプレイと呼び、ただのメーターパネルとは 一味違う作りです。 最新のLCDによる表示は常に見やすく、色調・輝度が自動調整されています。 BMW風のオレンジの照明もいい感じです。













■インテリア〜リヤ

【Report by 中橋】

運転して楽しいのはBMWとして当たり前。
でも7シリーズのオーナーになれば後ろの快適性も大事なポイントでしょう。

今回はロングホイールベース仕様ではありませんでしたが、もちろん一般庶民の 僕にはぴんとこないほどの快適さが確保されています。
これでロングホイールベースのLiや、先代に用意されていたL7がリリースされたら まさにファーストクラス感覚なのだろうと思います。
当然、シートの調整も自由自在です。

エアコンも左右別々に制御可能、このぐらいは当たり前でしょうが、 エアコンも実はいろいろあるらしくて、標準タイプ、ハイエンドオートマチックタイプ、 内蔵型クーリングボックス搭載タイプなど、、、どう説明してよいか わからないほどです。
そうそう7シリーズのエアコンはソーラーセンサー付きのオートマチックで 太陽光線の量や大気中の有害物質を測定しながら制御しているうそうです。

一庶民として驚いたのは、電動のリヤウィンドー&リヤサイド用ローラーブラインド。 ここまで電動にするのか・・・とにかく、これを操作すれば気分はVIPです。

カーステレオの音質もすばらしいものです。
特にフロントシートしたに埋め込まれたウーハーが重低音を完全に再現します。 サイドシルにつながる空間まで音響効果に利用しているそうです。
これをいじろうと思う人は少ないんじゃないかと思うほど、純正ステレオの域を 超えた世界が待っています。
調べてみれば、プロフェッショナルLOGIC7 HiFiシステムという自動車に搭載するのは 初めて、というオプション装備でした。 サブウーハーが7つですよ?それもバランスよく音がでるチューニングされた状態で。 素敵過ぎます。

そうそう、この試乗車にはついていませんでしたが、オプションで後部座席にも TVモニターを装備できます。 この車を買う立場にいれば、つけたくなる装備かと思います。

バニティミラーがリヤにも付いてくる、なんてことはこのクラスだと当たり前なの かもしれませんが一応報告しておきます。









■インテリア〜iDriveコンセプト

【Report by 中橋】

このシステムが新型7シリーズのもっとも見所の多い部分かと思います。
iDriveというのはコントロールコンセプトのことで、下記の装備で構成されています。

 ・コントローラー(センターフロアにあるダイヤルコントローラー)
 ・コントロールディスプレイ(センターにある液晶画面)
 ・リモートコントロールマルチファンクションキー
 ・スタート/ストップボタン
 ・インフォメーションディスプレイ(メーターパネル内)
 ・マルチファンクションステアリングホイール
 ・6速オートマチックトランスミッション
 ・ボタン式パーキングブレーキ

てっきりコントローラーと液晶画面のことだけを指すのかと思っていたのですが、 これらの電子制御の組み合わせで構成されているものなのでした。

ドライバーが運転に集中できるように作られたものです。 めったに使わない機能のためのスイッチ類が激減しているので たしかにすっきりして集中しやすいと思いました。

液晶ディスプレイの配置も適切で、視点移動が少なくてすむのは わかりやすいメリットでした。やっぱりスピードメーターと高さが同じところに あるのは非常に便利。 まさに人間工学研究がもたらした成果なんでしょうね。

助手席に乗るとついiDriveのいろいろな機能を探りたくなります。 操作自体は直感的です。
コントローラーは運転席からだけでなく助手席からも操作できます。 なお、個人的には右手で操作するほうがなじめました。 具体的には右ハンドル仕様で運転時に左手で操作するのはちょっと慣れが 必要な気がしました。これは個人差があるかもしれませんが購入時は いろいろ触ってみることを薦めます。

コントローラーは8方向(前後左右斜め)にスライドできます。 また回転、クリック(押す)という操作も組み合わせられます。 マウスをうごかすようなものですね。
さらにおどろいたのは可変反力フィードバックという仕組みです。 電動モーターが内臓されていて操作に応じてダイヤル感が変わります。 すごい・・・。

メニュー構成は下記のとおりです。8方向にスライドして選びます。

【電話】
ハンズフリーの電話を操作するための画面。

【ボード・データ】
オンボードコンピュータ、チェックコントロール、 サービスステイタスなどを表示します。

【Navi】
DVDナビゲーションシステムの画面です。

【ヘルプ】
ショートヘルプテキスト(画面右側に表示を行う)、 メニュー変更時のタイトル表示などを行います。

【AV】
ラジオ、CD、MD、TVなどをコントロール。

【設定】
日付、時間、言語、ディプスプレイモードなどを設定。

【AC】
エアコン、シートヒーター、パーキングベンチレーションなどを設定。

【BMW Assist】
携帯電話によるモビリティーサポートの操作。別途加入契約必要。

対話形式での操作かつ、メニューの分類が適切で、10分ぐらい遊べば 全機能へのアクセスは可能になると思います。 すでに270種類の機能があるそうですが、それほど違和感もなく まとめられているなと思いました。

エアコン、カーステなどはiDriveを使いこなせない人(ま、最初使えない人は いるかもしれないので)にも通常のスイッチが配置されているので 不都合は生じないように出来ています。 ダイレクトに操作するほうが便利な機能はちゃんとすぐに使えるので 心配はいりません。

肝心の液晶ディスプレイは常に見やすいように、反射制御、バックライト、 ヒーターシステムなどの技術がつぎ込まれています。 どこにもぬかりはないように思いました。

今後の新型BMWへの搭載が気になるところですね。
その際にはマニュアルシフトの場合どうなるんだろう?とかいろんな 期待と不安がまざりますが、楽しみに待っていたいと思います。





(こんな感じで切り替わります。
 実際はちゃんと日本語。)



(これがコントローラー。)



(最初の初期画面。
8方向のどちらかいスライドさせればそれぞれのメニューが表示されます。)





(見やすく巨大な液晶画面。
右側にナビの地図を表示することも可能です。)



続く。


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